01/ 弊社代表、只石昌幸のブログ
キャリアカウンセラーって何?その資格と、キャリアコンサルタントとの違い

キャリアカウンセラーとは、求職者の適性・適職を、カウンセリング等を通して見つける専門家です。20世紀初頭のアメリカで基礎が築かれ、日本では平成以降に重視されるようになりました。
目次
キャリアカウンセラーとは?資格の取得について
キャリアカウンセラーの意味
キャリアカウンセラーとは、個人の興味、能力、価値観、その他の特性をもとに、個人にとって望ましいキャリアの選択・開発を支援するキャリア形成の専門家の事です。
(参照:日本マンパワー)
よく同一視されるものに「キャリアコンサルタント」があります。2016年よりキャリアコンサルタントが国家資格となる以前には明確な線引きもなく、キャリアカウンセラーとキャリアコンサルタントは、ほぼ同一視されていました。
キャリアカウンセラーの主な業務は、就職希望者が自らの適性、能力、経験などに応じて職業生活を設計、効果的に職業選択や職業能力開発を行うことができるように、個別にキャリアデザインの相談を行うことです。
キャリアカウンセラーの業務内容「キャリアデザイン」とは
キャリアデザイン(Career design)とは、自分の仕事人生のプランを自ら設計し決定する事で、キャリアカウンセラーの主要業務です。日本では平成に入って以降、重要視されるようになりました。
日本において近年までキャリアデザインを重視される事はほとんどありませんでした。
近代以前では世襲制で、個人のキャリア選択の幅は非常に少なく、また昭和末のバブル期までは終身雇用制度のもと会社側が社内人事という形で個人のキャリア形成を主導する時代が長く続いたためです。
しかし時代が平成に移り、バブルが崩壊し、企業に1人の人間を大きな理由なく面倒を見る事ができる体力がなくなりました。
その結果、終身雇用制度が崩壊し、派遣社員・契約社員など雇用形態は多様化していきました。また、技術革新やグローバル化によって社会全体の産業・就労構造も大きく変動しました。
それに伴い、自分のキャリア選択を世襲制度や人事制度に委ねる事の危険性が認められるようになり、自身で自律的に設計し判断する「キャリアデザイン」という能力が個々人に求められるようになりました。
キャリアデザインにおける問題点「個人の支援にとらわれがち」
キャリアカウンセラーの個人支援に対する問題点も指摘されています。
「多くのコンサルタントは、カウンセラー出身者が多く、そのためとかく個人の支援にとらわれる。キャリア・コンサルタントは、何が出来るかのまえになにをすべきか、役割を考えるべきである」
(引用:労働政策の展望 これからのキャリア・コンサルティングに求められるもの)
現在キャリアデザインにおいては、個人への支援だけでは解決が不可能な環境の問題点の発見・指摘、改善等の環境介入といった働きかけを関係者と協力して行う事も重要だと言われています。
キャリアカウンセラーの歴史と資格取得
アメリカでのキャリアカウンセラーの歴史
日本では平成以降に認知されはじめたキャリアカウンセラーの起源は、20世紀初頭に職業選択の自由を背景に展開された、パーソンズの『職業指導運動』だといわれています。
パーソンズはキャリアカウンセリングの父とも呼ばれ、1901年に多くの移民の支援を目的に、創設されたボストン市民サービス館で活躍していました。
当時アメリカは、産業革命によって人々の仕事の環境や生活環境が劇的に変化し、貧富の差が拡大している時代で、定職に就けずに転職を繰り返す若者が問題視されていました。
パーソンズがその問題を深く掘り下げた結果、「技能だけの問題ではなく、場当たり的な職探しが多くの失敗の原因である」と気づいたのです。
そこで1905年に、職業選択や就職のアドバイスをして適性・適職を見つけるサポートとなる活動を始めたのが、キャリアカウンセリングのはじまりだと言われています。
日本でのキャリアカウンセラーの歴史は戦後から
日本ではキャリアカウンセリングという名称がつく前から存在はしており、「適性相談所」という専門の職業相談機関がありました。しかし一般的ではなく、対象も若者や障害をもった方に限定され、活動は細々としたものでした。
重要視され始めたのは、バブル崩壊以降の失業者に対する再就職支援対策の時期でした。
その背景としては上述の通り、日本で主だった「世襲制」「終身雇用制度」があるために個人のキャリアを重要視する機会がほとんど無かった事が挙げられます。
バブル崩壊以降、それら世襲制と終身雇用制度が日本の企業社会から失われていく過程で個人のキャリアに個人で責任を持つべきとする意識が芽生え、キャリアカウンセラーの存在の重要性が認知されはじめました。
キャリアカウンセラーとキャリアコンサルタントの違い
国家資格か、そうでないか
キャリアカウンセラーとよく似たものにキャリアコンサルタントがありますが、それらの最大の違いは「国家資格か、民間資格か」です。
2016年にキャリアコンサルタントが国家資格として制定されるまでは、キャリアカウンセラーとキャリアコンサルタントはほぼ同一の意味で使われていました。
キャリアコンサルタントが国家資格となった背景
かつてキャリアカウンセラーの資格は民間資格のみであったために、様々な民間資格が乱立しました。
その結果、経験も実績もあるキャリアカウンセラーがいる反面、実の伴わないキャリアカウンセラーも出てくるなど、資格取得者の能力格差が問題視されました。
それを機に2008年より国家検定「キャリア・コンサルティング技能検定」が実施されるようになり、2016年4月には、国家資格として「キャリアコンサルタント」が誕生しました。
キャリアカウンセラーとキャリアコンサルタントの関係性
これら2つの資格は国家資格と民間資格の違いはあれど、無関係ではなく、関係性は残されています。
国家資格キャリアコンサルタント試験の受験条件の中に、「厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した人」という項目がありますが、その中にいくつかのキャリアカウンセラーの資格試験が入っています。
扱いとしては「厚生労働大臣認定キャリアコンサルタント養成講習」です。
つまり2016年以降は「キャリアカウンセラーの資格が無意味になった」という訳ではなく、キャリアコンサルタント試験の受験資格を得るための1つの道となりました。
キャリアコンサルタントになるために、キャリアカウンセラーの資格を取得したい場合は、その資格が厚生労働大臣認定とされているかどうかを事前にチェックしておく事が必要です。
キャリアコンサルタントとしての仕事がしたい人ならば、「厚生労働大臣認定」の文字があるか、無いかでその資格を取得した後の道が全く変わってしまいます。
キャリアカウンセラーの活躍現場
企業の人事担当者
2016年以降、キャリアカウンセラーではなくキャリアコンサルタントの資格を持っていないと実務ができない場も増えましたが、それでもキャリアカウンセラーとしての技術が必要な場所はあります。
ハローワークなどにいる「キャリアカウンセラー」という肩書きで仕事をする人とはまた別に、企業の人事担当者が資格を取得する事も珍しくありません。
採用前の面接時や、採用後の人材に対して、適性を見たり働きやすい環境を作るために、キャリアカウンセラーとして培った技能を発揮しています。


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