01/ 弊社代表、只石昌幸のブログ
変わりつつある人材開発の具体的な実施方法とは?

企業にとって最大限に利益を生み出す人材を育てる人材開発ですが、経済や技術の革新によりそのあり方に変化が生まれてきています。
スキルや知識を磨くというだけではなく、企業の文化を継承し社員のモチベーションにも大きく関わってくる「人材開発部門」の役割と、人材開発の実施の事例を踏まえて解説していきます。
目次
企業の「人材開発部門」の重要性
バブル経済崩壊後に「失われた10年」と呼ばれた期間がありました。
直接的な利益を生まないと考えられていた人材開発部門は、人事部門へと併合されることも多くありました。
そしてこの時期にほとんどの企業が人材開発への投資を削減したため、ミドルマネジメント能力の低下やOJTが機能しないなどの問題を抱えることになったのです。
企業教育全体が縮小されているなか、多くの企業で「成果主義」が導入され、人材開発部門にも教育のための効果が期待されました。
この事例から企業における人材開発の重要性は見直されていますが、近年ではグローバル化により企業競争の激化や少子高齢化による人材不足により、先行きが不安な企業も増加しています。
人材開発の目的
人材開発の目的は企業の戦略の実現のため、社員のビジネススキルや意欲を向上させることです。
企業は社員に能力開発の機会を与え、社員はスキルの向上によって仕事の質を上げることができるだけでなく、昇進や昇給といった企業の評価に結びつくこともあり、モチベーションを高めることもできます。
企業ではこれまでの人材育成のあり方が見直されてきます。
企業統合や再編、業績の悪化などの現在の企業では様々な手段を用いて存続を図らないと厳しい状況になっています。
またグローバル化や技術革新など、社会の動向も目まぐるしく変わっている現代では様々な問題に対処できる人材や経営難という状況でも戦力となる人材が求められています。
ここにおいて企業における「人材開発部門」が重要な役割を担っています。
人材開発部門の役割
経営環境が目まぐるしく変わっている現在において、人材開発部門に期待される役割や機能は大きく変わってきています。
自社にとって継続的な成長を担う人材を育成していくために、人材開発部門はどのような役割がもとめられているのでしょうか?
業務能力の向上
人材開発部門の仕事としてまず挙げられるのは、企業競争力の基盤となる業務能力を向上させることです。
業務能力とは、マネジメントや技術といった幅広い業務を高い水準で実行できる能力のことをいいます。
成果を出すために必要となる人材開発とはどのようなものか、どのような研修を実施すれば効果的など現場の責任者と話し合うことも人材開発部門の役割といえるでしょう。
短期的に役に立つスキルを把握し、そのための教育を施すことで貢献できる人材になることができるため、社員一人ひとりのモチベーションややりがい、充実感を高めることが人事開発部門には求められます。
企業組織の活性化において、非常に大きい役割を担っているといえます。
社員の企業の思考と行動のベクトルを定める
多数の社員が所属する企業では、社員の数だけ価値観も多種多様です。
そのため社員の思考と行動のベクトルを合わせることは非常に困難なことです。
企業が求める人材や、求めている人材をどのような形態で育成していくかが重要であり、経営トップとの話し合いも必然的に多くなってくるでしょう。
前提として必要なことは、多数の社員が共有できる価値観を持ち、それが共有されていることです。
ブラック企業にみられるような極端な価値観では社員全体に受け入れられるのは難しいでしょう。
また社員が成長を実感できる人材開発でないと、将来のキャリア形成に自信を持つことができません。
能力や知識は短期間で身につくものではありません。長い時間をかけてできなかったことができるようになったという実感があってこそ人材開発の意味があるといえるでしょう。
仕事のできる社員を育成し、企業の戦略にうまくマッチした人材を生み出すことが人材開発の役割です。
人材戦略や人材開発施策を最適化する
社会の動向や社内環境によって社員の士気やモチベーションは上がることがあれば下がることもあります。
社内環境に不満を抱える社員がいれば、それが次第に他の社員にも広まっていき、職場環境が崩壊してしまうこともありえないことではありません。
そのため、企業の内外環境の変化を敏感に捉えて、人材戦略や人材開発施策を融通を利かせて改善していくことも人材開発の役割といえます。
変化しつつある人材開発
2010年代に入るとグローバル化が加速し、事業再編や組織改革が進められるようになっていくと人材開発も大きく変わるようになりました。
事業戦略が変わっていくなかで、これまでの人材育成ではうまくいかないと考える企業が増えてきました。
しかし、人材開発の改革は容易なものではありません。
人材教育費用の削減や縮小を受けた世代の再教育は簡単なものではありませんし、OJTなどの現場教育の抜本的な改革もしなければなりません。
体系的に学ばず自分の経験だけに頼ってマネジメントを行っていたら、部下の指導が十分に行えず生産性が落ちたという事例も起こっています。
人材開発で重要なことは経営陣とうまく連動しながら、人材のボトムアップを図ることです。
その理由は教育はその時々の経営方針によって実施されますが、教育の空白期間が生じると組織文化がうまく継承されなくなってしまう恐れがあるからです。
このような現状から、企業の人材開発は大きな転機を迎えています。
人材開発を一新した事例
とある企業では「階層別研修」を一新しました。
それぞれの階層が役割を全うすることが中長期計画の達成につながると判断されたからです。
それまでにこの企業では中長期計画を立ててきましたが、100%達成することは稀でした。
その原因として、経営者の意思や理念が各従業員の行動計画まで浸透しなかったことが考えられました。
そのため、社員ひとりひとりに中長期計画の重要性や意義を浸透させる必要に迫られたのです。
それまでの階層別研修は一般的なマネジメントスキルの研修であり、漠然と学ぶことで終わってしまっていました。
改革後の階層別研修では、それぞれの階層の役割を明確化し、その役割に見合った人物像を育てるための研修が行われるようになりました。
例えば部長クラスの人物は企業理念を企業戦略とマッチングさせる役割を果たせる人物となることがゴールであり、課長は現場のリーダーとして企業理念を行動まで落とし込むことができる人物に成長することが目的です。
この企業の階層別研修では、事業との整合性が重要視されました。
部長研修で出されたアウトプットを、課長研修で課長が新たなアウトプットを出し、さらにそのアウトプットを受けて係長研修で新たなアウトプットを出すことです。
それぞれの階層で連携を保つことで経営方針のブレを抑えることができます。
まとめ
人材開発で重要なことの一つに、自社が求める人物像を明確化することが挙げられます。
そのために大切なことは経営陣の視点を見失わないことです。
社会の動向や技術革新で人材開発のニーズは柔軟に変化していきますが、人材開発を見直す上で経営陣が関わってこないとなりません。
現場のニーズに応えることももちろん大切ですが、経営戦略とうまく整合しないと企業の目指す方向性がぶれてしまい、結果として社員のモチベーションの低下や競合他社との競争に敗れてしまうことになってしまいかねないからです。
人材開発部門が忘れてはいけないことは、教育は全社的な取り組みとしてトップと現場の両方を調整することです。
社員ひとりひとりが当事者意識を持つことで、人材開発の成果が期待できるようになるでしょう。


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