01/ 弊社代表、只石昌幸のブログ
人事考課と人事評価の違いとは?上手な人事考課制度の作り方

人事考課とは、従業員の業務の貢献度、遂行度、業績、能力を評価し、昇給や昇進といった人事に反映していく仕組みの事です。
定期的かつ継続的に実施される事が一般的で、半年から1年のスパンで行われます。日本の中堅企業、大企業ではこの人事考課制度が8割以上の企業で定着しています。
一方で「人事評価」も同一視される傾向にありますが、人事評価とは遂行された業務や、その業績についての善し悪しを判断する事で、こちらの方が大きな概念を表すといわれます。
目次
人事考課制度とは何か?
人事考課制度について
人事考課制度とは、従業員の業務の貢献度、遂行度、業績、能力を評する仕組みの事で、評価したものは昇給や昇進といった人事に反映されていきます。
同一視されやすい「人事評価」はアメリカ発のもので、日本でも始めは人事評価が実施されていましたが、年を重ねるごとに独自の評価基盤ができ、日本独自の「人事考課制度」が考案されました。
人事考課制度の歴史
アメリカで20世紀の初めから人事評価の研究と実践が進みはじめ、日本には1930年代にアメリカから評価方法が導入されはじめました。
しかし日本の人事評価はアメリカの輸入ばかりではなく、輸入の動きはむしろ戦後は鈍っていく傾向にありました。1960年代には、独自の職能主義を築き上ていき、そこから広まった「人事考課制度」はそれと強い結びつきがあるとされます。
1970年代から1980年代の大企業での人事考課は、「成績」(遂行した仕事の質・量)「能力」(遂行能力)「情意」(意欲など)の3つの要素が重視される傾向にありました。
これはアメリカでは初期より一貫していた、「結果的に高い成果を出したのは誰か」を明らかにしていくものとは方向性が違います。
人事考課は、「高い成果を出した人物」の他に、「将来のリーダーとしての器を持つ人物であるか」という評価も志していました。
バブルが崩壊し、終身雇用制度も形を成さなくなりはじめた1990年代以降はそこから更に「成果」の評価も定着しています。
日本の国家公務員には「勤務評定制度」がありましたが、2009年より、年功序列から能力・実績を反映する人事考課の移行を目指し、「人事評価制度」に置き換えられました。
その後に続き、2016年度より地方公務員にも人事評価制度が導入されています。
人事考課の必要性とその目的
人事考課の目的その1「成果の可視化」
人事考課は単に従業員を評価する事が目的ではありません。最も重要な目的は、「会社が目指す方向性と従業員に求めるものを可視化する」という事です。
この目的をきちんと伝えられない状態では、従業員にとっては目指すべき目標が不明瞭になるため、逆効果になる事もあります。そのため最初にこれらの点を明確にしておく必要があります。
人事考課の目的その2「従業員のモチベーション」
もう1つの目的として挙げられるのは、「従業員のモチベーション向上」「達成感」です。人間は何か目的がある方が動きやすく、また、その中でも重要な目的と言われるものが達成感です。
人事考課による一定の評価システムが無いと、自分がその仕事を通して何を実現しようとしているのかが可視化されないため分かりづらく、達成感を持ちづらい状況になります。
逆に言えば、一定の評価システムがあり、自分の成果が可視化される事で結果的に達成感を持ちやすくなると言われています。
上手な人事考課制度の作り方のポイントを解説!
人事考課の目的を明確に伝える
人事考課制度は、上手く取り入れる事が出来れば従業員のモチベーションも上がり、会社の長期的な成長のために必要な人材を見極める事ができます。
そこで、人事考課制度の上手な作り方も見ていく事が重要ですが、「人事考課を何故取り入れるのか?」という目的を従業員に明確に伝える必要があります。
会社が目指す方向性、従業員に求めるものを可視化して伝える事で、従業員のモチベーションアップに繋がります。
人事考課の軸その1「成績」 目標管理制度
人事考課には「成績」「能力」「情意」を評価するという軸があります。
そのうちの「成績」を評価するもので「目標管理制度」というものがあり、これはピーター・F・ドラッカーが著書「現代の経営」で提唱したもので、「社員一人ひとりが職務目標を明確に掲げて職務遂行にあたる」という概念です。
従業員に対して、会社の年間目標・課題を説明し、それに従って従業員自身が半年から1年間の仕事上の目標を具体的にたてていくものです。
これに対する上司の役割は、部下の目標達成に役立つ目標設定の方法や、自己統制のサポートです。
決して目標で従業員を縛るという事とは違い、毎日ただ漠然と仕事をするのではなく目標を持って仕事に取り組む事ができる効果を目的としています。
人事考課の軸その2「能力」 従業員が持っている能力を総合的に評価する
能力と一言でいっても様々あり、特に会社において注目すべきは「保有能力」「発揮能力」「潜在能力」です。保有能力は、仕事上で必要な知識・技能・態度といった、成果を創り出す元となる能力です。
保有能力は具体的に、専門知識・業務処理・企画・立案・推進力・責任感・持続性・ストレス耐性などが挙げられます。
そしてこの保有能力は当然、保有だけでは意味を成しませんので発揮する必要がありますが、それが「発揮能力」です。
会社の理念や経営方針に合致させて行動してもらう事で、元々保有している能力を発揮していき、成果に結びつけていきます。
そして保有能力・発揮能力は、会社の方針・理念や事業目的に合致しているかどうかも重要になるためその点を定期的にチェック、評価していく必要があります。
(参照:創業手帳Web)
最後の潜在能力は見抜く事が難しいものですが、保有能力と発揮能力である程度割り出す事は可能です。
その従業員の普段の勤務態度や出している成果以外では、普段の会話や態度などといった、この後に解説する「情意」の評価過程でも、潜在能力を見出す事が可能です。
人事考課の軸その3「情意」 熱意や態度の評価
今すぐ会社の利益に直結するものではありませんが、重要なものとして従業員の熱意・姿勢である「情意」があります。
情意の評価では、会社が理想とする「考え方」「心構え」「態度」を従業員に示し、どのような考え方・心構え・態度で勤務して欲しいと考えているか、という点で評価していきます。
「規律性」「責任制」「積極性」「協調性」といった、社内規則や仕事に向き合う姿勢、他従業員との関わり方など、会社の利益に直結せずとも間接的に関わってくる事柄に対しての評価の側面が強く出ています。
会社という組織は、多くの人間が関わって動く、いわば1つの生き物のようなものです。情意評価項目のどれか1つが欠けても「生き物」としての会社の環境が整わなくなるため、ここに注目する事は重要です。
人事考課を実施する人材の育成の必要性
これまで人事考課の利点や有効な実施方法についてお伝えしましたが、実施する人材の育成の必要性も無視できないものです。
従業員の目標設定の作成のサポートや、面談での質問方法など、的確なサポートができる人材の確保のためにも、人事考課の実施と並行して育成を考えていく必要があるでしょう。


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