01/ 弊社代表、只石昌幸のブログ
海外の人材戦略事例も紹介!リファラル採用のキーマン「プロ・リクルーター」とは?

1人材獲得競争が進む海外では、主体的・能動的な採用活動を推進する採用のプロフェッショナルである「プロ・リクルーター」の役割が注目されています。
「リクルーター」というと、新卒採用で学生の意思決定をサポートする社員をイメージする方も多いのではないでしょうか。
しかし、海外では採用のプロフェッショナルとして経営戦略の実現をサポートする存在として認知されています。そこで今回は、海外における動向や、日本での広がりについてお伝えします。
目次
2030年に必要とされる仕事に「リクルーター」がランクイン
2015年、アメリカの男性向けプレミアム・ライフスタイルサイト「The Cheat Sheet」で、2030年に必要とされる職業トップ10が発表されました。
そのなかで、「ボットロビイスト」や「ビッグデータドクター」などに並んで8位にランクインしているのが「リクルーター」です。
急速に変化する雇用市場のなかで、プロフェッショナルなスキルを有するリクルーターが重要になると記されています。
また、LinkedIn社が世界各国の採用責任者3,973名に行った調査「Global Recruiting Trends 2017」では、83%が「人材の獲得が自社において最重要事項である」と回答し、また32%が採用チームの「人員を増やす」と回答しました。
さらに、米国の採用情報メディア「ERE」が、リクルーターを対象としたカンファレンス「ERE Recruiting Conference」を毎年開催し、リクルーティングノウハウや事例の共有を大規模に行うといったことなどからも、世界的に「リクルーター」の必要性が高まっていることがわかります。
「リクルーター」が重要となる背景
企業はなぜプロのリクルーターを求めているのでしょうか。
Jobvite社が米国内の1,600名の採用・人事担当者に行った調査「Jobvite’s annual recruiting survey」によると、95%が「今後、人材獲得競争は現状レベルか、さらに激しくなる」と感じていると回答しています。
このことからもわかるように、人材の採用は今後さらに難しくなることが予測されます。そのため、戦略的な採用を実現する人材が求められているのです。
また、シルクロード社が1,000社の企業を対象に実施した2016年度版「」では、社内の採用経路はリファラル採用が45%、社内の部署異動が21%、リクルーターによるスカウト採用が19%となっています。
リクルーターの採用が2割を占めていることからも、その影響力の大きさがうかがえます。
現代のリクルーターは「芸術家」と「科学者」のスキルが必要?
では、現代のリクルーターには、どのようなスキルが必要となるのでしょうか。
米LinkedIn社が発表した「The Modern Recruiter」では、現代のリクルーター像をユニークなインフォグラフィックで表現しています。
ここでは、成功するリクルーターには、芸術家と科学者の2つの側面が必要であると書かれています。
個々のスキルとしては多岐にわたり、社内外の採用ブランディングを行うためのマーケティングスキル、営業力、数字をもとにしたデータ分析能力などが挙げられています。
日本における「プロ・リクルーター」の役割
このような海外の動きを受け、人材獲得競争が進む日本でも「プロ・リクルーター」の役割が重要なものとして注目されています。
日本における「プロ・リクルーター」とは、主体的な採用活動を推進する採用のプロフェッショナルです。
事業戦略を理解したうえで採用ニーズを先読みし、常に採用マーケットの情報を分析しながら、採用目標の達成を目指します。なお、採用プロセス全体または特定の専門領域を担い、新卒採用・中途採用は問いません。
具体的には、事業戦略に基づいた採用計画の立案、求人の要件定義、求職者ごとの採用シナリオづくりや選考フローの決定、さまざまな社内外リソースや母集団形成チャネルの活用、面談・面接などの活動を行い、PDCAサイクルによる改善活動を通じて、採用活動を実施します。
「プロ・リクルーター」が身につけるべきスキルとキャリア
ビズリーチHR研究所は、LinkedInに登録されている採用担当者の役職・役割で一定数の人数がいるものを抽出・分類し、プロ・リクルーターの広範にわたる役割を以下の図のように整理しています。役割が多岐にわたるため、順を追って説明します。
マネジメント(職務名:採用責任者)
マネジメントはオペレーションを中心とした保守的な組織ではなく、経営目標達成のために必要な人材を外部から招き入れ、組織をつくり上げることが求められます。
そのため、経営戦略・事業戦略を理解し、それらに基づいた採用戦略を決定するスキルが必要となります。
また、要員計画から一歩踏み込み、人材に関する予算策定、管理に関わることもあります。これによって経営から採用まで一貫性のある戦略が構築されます。
人材定義・配置(職務名:HRBP、スタッフィング担当)
HRBP(HRビジネスパートナー)は、ビジネス上のパートナーとして、特に人材の配置と組織の構築の面からサポートし、事業成長を実現させるプロフェッショナルのことを指します。
経営戦略・事業戦略の深い理解が必要なため、営業やエンジニアなどビジネスサイドで活躍する社員が配置されるケースもあります。
データ分析(職務名:HRアナリスト)
HRアナリストは、採用基準の明確化や離職の防止、組織開発に生かすための人事データ分析・活用を行います。
特に採用業務においては、採用目標や採用経路別の応募者数、選考状況などから、効率的な採用が行われているかどうかを分析し、PDCAサイクルによる改善活動を通じて、採用計画を達成に導きます。
最近ではATS(採用管理システム)を活用することで、採用活動をデータ化し、それを意思決定の材料とする企業も増えています。
採用マーケティング(職務名:採用マーケティング担当)
採用マーケティングは、採用ターゲットを消費者と同様に考え、認知から入社までの「体験」を提供していく手法です。
採用広報などの潜在層へのアプローチから、従業員満足度などを通じたリファラル採用の強化など多岐にわたります。海外では採用マーケティングのためのさまざまなツールも出てきています。
リクルーティング:ソーシング、動機付け、採用、定着(職務名:ソーサー、リクルーター、エグゼクティブリクルーター、キャンパスリクルーター)
【ソーサー】
対象となる人材が存在する業界などを検討して、アプローチの方法を決定し、スカウトなどを通じて候補者を探し出します。
同時に、自社の採用候補となりうる優秀な人材のデータベースであるタレントプールを構築していきます。
【リクルーター】
人材紹介会社などの外部パートナーの選定に加え、候補者の動機付け・入社までの意思決定のプロデュースも行います。
候補者との信頼関係を構築しながら採用決定までのシナリオを考え、適切かつ効率的に選考を進めて入社まで導きます。
リクルーティング:オペレーションと効率化(職務名:リクルーティング・コーディネーター)
採用業務には、候補者との日程調整や面接官のアサイン、選考評価のフィードバックなど、多岐にわたるオペレーション業務があります。
リクルーティング・コーディネーターは、ミスのないオペレーションを設計するだけではなく、採用業務の効率化を推進し、生産性を向上させることで、より戦略的な採用活動を行う時間の創出を目指します。
(出典:ビズリーチHR 研究所『採用学VI』)
プロ・リクルーターは、これらすべての役割・業務を理解したうえで、いずれかの業務の一つ以上に強みを持ち、専門性を発揮する採用のプロフェッショナルです。
企業規模や採用人数により、リクルーターの担う役割は異なります。各役割・業務において専門的なスキルを高め、経営戦略・事業戦略と連携して活動することが求められます。
おわりに
人事に経営戦略を実現するためのパートナーとしての役割が求められているなかで生まれた職種が「プロ・リクルーター」です。
今後、リファラル採用も含めたさまざまな採用チャネルを駆使し、事業成長に寄与する存在としてその活躍が期待されています。


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