01/ 弊社代表、只石昌幸のブログ
新卒一括採用を辞めたヤフーの「ポテンシャル採用」とは?

Googleと並ぶ検索エンジンとしてもおなじみのポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を運営するヤフー株式会社は、どのような採用戦略をとっているのでしょうか。
2016年10月に「新卒一括採用」を廃止し「ポテンシャル採用」を導入したことで注目された同社が、そもそもどんな企業なのか、どのような採用活動や人材育成を行っているのかを見ていきましょう。
目次
ヤフーとはどんな企業か
ヤフー株式会社はソフトバンクグループの連結子会社で、1996年1月にアメリカのヤフーとソフトバンクグループ(当時のソフトバンク)の合弁で設立されました。
同年4月に国内初のポータルサイトとしてYahoo! JAPANがサービスインし、2003年には東京証券取引所第一部市場に上場、2007年にはジャスダック証券取引所にも重複上場しました。
同年に月間318億PV数を達成し、アメリカのヤフーを上回って世界一を記録するなど成長を遂げてきた企業です。
代表取締役社長は創業時の孫正義氏から2012年に宮坂学氏に変わり、現在はインターネット上の広告事業、イーコマース事業、会員サービス事業などを展開しています。
そしてヤフーは、自社が運営するメディアサービスの基本方針として下記のメディアステートメントを掲げています。
信頼性と品質
社会規範や品位を守り、良質で信頼できる情報の提供を目指します。不正確な情報や、過剰に扇動的な表現、誤解を招く情報を届けることのないよう、真摯に取り組みます。
多様性の尊重
人権に配慮し、表現の自由・知る権利を守ります。多様な価値観に基づいた情報を扱う責任を自覚し、特定の権力・団体や思想・信条に与することなく、理解や判断の助けとなる場であり続けます。
豊かな情報流通
より良いメディア環境の形成を目指し、情報発信を担うパートナーであるコンテンツ提供者と協力していきます。パートナーの活動や役割を理解し、適切な情報提供が行えるよう努力します。
「新卒一括採用」の廃止と「ポテンシャル採用」の新設
新卒一括採用廃止とポテンシャル採用新設への流れ
2016年10月、ヤフーは新卒一括採用を廃止し、「ポテンシャル採用」を新設することを発表しました。
ヤフーではそれまで、他の大手一般企業と同様に、
【新卒採用】:大学などの新卒者を対象とした募集
【中途採用】:特定の職種について就業経験を持つ人を対象とした募集
を行ってきました。しかしこの2種類の募集では、社会経験はあるが募集職種の就業経験がない人は下記のように「新卒」「中途」のどちらにも当てはまらず採用選考される機会がないことになります。
<従来>
・新卒⇒新卒採用枠で応募OK
・社会経験あり/募集職種の就業経験なし⇒応募枠なし
・社会経験あり/募集職種の就業経験あり⇒中途採用枠で応募OK
しかし、会社に貢献してくれるのは募集職種の就業経験がある人ばかりではありません。異業種でやってきたことが活きる場合も大いにあります。
例えば、金融からITへの転職というと畑違いに思われるかもしれませんが、フィンテック(ファイナンス・テクノロジー)への関心からIT企業における金融の知識やスキルを持った人の需要が高まっています。
このように、IT企業、とくに多岐にわたって事業を展開するヤフーのような会社では異業種からの転職者こそ必要とされる動きにあります。
そこで、募集職種の経験はないが異業種から来る優秀な人にも応募の機会をと新設されたのが、ポテンシャル採用です。
ヤフーのポテンシャル採用とは
ではこの「ポテンシャル採用」とは、具体的にはどのような条件で募集しているのでしょうか。
大まかには、「応募時30歳以下かつ入社時18歳以上」。新卒・既卒で就業経験がない人、就業経験があるが応募職種の実務経験はない人、いずれも対象です。
ポテンシャル採用には、下記の3コースがあります。
【エンジニアコース】ヤフーが提供する100を超えるサービスの開発に関わる業務。ほぼ社内開発のため、企画立案、研究開発から運用まで全般にわたる。
【デザイナーコース】さまざまなサービス特性やユーザーに合わせ、最新の知識と技術を組み合わせて最適なUXを実現する。
【ビジネスコース】企画提案営業、経理・法務・企業戦略・IR・人事などのコーポレート、編集、アライアンス業務などさまざまな領域がある。
単に若い未経験者を採用しようというのではなく、「ポテンシャル」の文字通り、その人が持つ「潜在能力」を活かして採用後に育成しようというのが狙いです。
ヤフーのキャリア採用とは
一方、これまでの中途採用を踏襲した「キャリア採用」の枠も設けられています。
募集職種の実務経験を持ち、それを活用して働きたい人のための募集です。年齢や学歴の制限はありません。募集されている職種はその時で異なるため、求職者はWebサイトで確認する必要があります。
人材の”ポテンシャル”を活かすヤフーの人材育成
「人材の潜在能力を活かして採用後に育てる」ことがポテンシャル採用のポイントですが、ヤフーでの人材育成のしくみはどのようになっているのでしょうか
育成のしくみ
社員一人ひとりが自分の潜在能力を最大限に活かすきっかけとなるよう、率直に話せるヒアリングや、客観的な評価を伝えるフィードバック、本人の自立性を尊重するチャレンジの機会がなどを豊富に用意しています。
【1on1ミーティング】上司と部下1対1のミーティング
【ななめ会議】部下や関連するメンバーが役職者に良い点や改善点をフィードバック
【人財開発会議】直属の上長や役職者が部下一人ひとりの中・長期的な育成方針を話し合う
【ジョブチェン】新たなチャレンジへの希望を自己申告できる制度
【Yahoo!アカデミア】次世代リーダーの創出・育成を目的とした企業内大学
社員研修
そしてヤフーでは、一人ひとりが潜在能力を存分に伸ばし活躍できるよう、社員の各フェーズやニーズに応じてさまざまな研修を用意しています。
【新社会人向け研修】社会人の心構えからビジネスマナー、ヤフーで働くにあたり必要な考え方などを学ぶ。配属先ではOJT形式で実務を習得。エンジニア職・デザイナー職には専門スキルを学ぶ機会も用意されている。
【全社員向け研修】ヤフーの理念である「ヤフーバリュー」を行動レベルで実施できているかの評価について学ぶ「バリュー評価研修」、ヤフーバリューを実現するにあたっての課題を解決する力を養う「課題解決研修」がある。
【専門スキル研修】エンジニアを対象とした「技術研修」、業界の最新動向を学べる「Techセミナー」、ユーザー視点で課題解決するための考え方と手法を体験する「デザイン思考ワークショップ」がある。
【管理職研修】管理職一年生への「新任管理職研修」、部下の能力や主体性を引き出すコーチングを学ぶ「コーチング研修」、会議を効率よく回し課題解決力を上げる「ファシリテーション研修」などがある。
【学習支援】オンラインの学習コンテンツ集「Manaby」、TOEIC IPテストを全額会社負担で受験できる「TOEIC社内受験」、理系博士課程進学を支援する「社会人ドクター進学支援制度」がある。
「ポテンシャル採用」の今後に注目
このようにヤフーでは、人材の潜在能力に期待しそれを最大限伸ばすことに力を入れたポテンシャル採用を行っています。ポテンシャル採用された人材が今後どのよう育ち会社に貢献する存在になっていくか、注目しましょう。


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